先日の真鯛、半身はポアレに。
2011年 01月 15日
まさか、みんなが寝静まっている内にやっちゃえば、
うるさいことも言われないだろう、とか思っていたのかは知らないけど、
高校や大学を出た若い将来がある連中の半分に、お仕事がない現状に、
老人たちが、仲間内でポストとかイスとかのお仕事をたらい回しにしている。
あ~あ、この国は、どうなっちゃうんでしょうねえ。
まあ、言えることは、自分のことは自分でしなきゃってことが、
あらためてよく分かったってことくらいかな。
そんな先行きを懸念して、自給自足をしようってことじゃないけど、
おウチシェフの釣りキチ上司が駿河湾で釣ってきた真鯛。
先日、半身を蒸し物にしたけど、その残りの半身をポアレにした。
駿河湾の真鯛は今が旬だそうで、
ふっくらとした上品な白身に、ローズマリーとタイムの香りを着せ、
オリーブオイルでマリネしてから、ゆっくりとポアレした。
肉の強情さに対する火入れとは、かなり勝手が違う白身魚の火入れだが、
ゆっくりと身の中へ火が入っていく様は、
なんか引き込まれそうになるくらい美しい。
折角の釣り真鯛、
なんで皮霜とか、平切りで刺身で喰わないかと言うと、
実はオレ、ウチで喰う刺身類が、ちょっと苦手なんである。
決して刺身が嫌いなわけではなく、
そりゃあ、寿司屋や居酒屋に行ったら、間違いなく美味しい刺身を喰っている。
けど、どうしても、ウチで喰うのは苦手なんである。
ただ、例えば花見の席、スーパーで買ってきたパックの刺身、
それを、桜の木の下で喰うのは、なんでもない。
同じものを、ウチで喰えと言われたら、気が進まないだけである。
なんでか?
自分でもよく分からない。
さあて、野菜たちも美味しそうに仕上がって、
真鯛の皮も、パリっと香ばしそうだし、身からは肉並みに肉汁も出てきそう。
一番肉厚のところから、ガブっといけるのも、おウチだからであって、
でもそうしないと、横から喰われてしまうリスクもある。
ウチのテーブルの上では毎夜、どこかの国の政治以上に高尚で真摯な、
結構な駆け引きと、力勝負が行われているのである。