フレンチすぎもと 静岡市二番町
2008年 05月 11日
しかも、トラックも通る幹線道路沿い、
お魚卸しの第一水産のお隣。
決してロマンチックなロケーションじゃない。
でも、フレンチである。
店に入ると白木のカウンター。
居酒屋でも割烹でもない。
クドイようだが、
これでもフレンチである。
その証拠にこんなのが出てくる。
岡部の雉、富士宮の鱒に駿河湾の鱸、
朝霧の豚に静岡こしひかり。
先日、市内で唯一の食鳥業者との商談中、
その社長曰く、
「静岡で地産地消とか言われてもねえ、
静岡なんてもう畜産の産地じゃないもんなあ」
その通りである。
静岡なんて畜産に限って言えばもう「産地」じゃない。
この食鳥業者も、
生鳥は静岡だけじゃなく山梨や愛知などの近県から仕入れている。
だから、ここの鶏肉には「静岡県産」の表示ができなく、
「国産」の表示で流通している。
以前は、「静岡県産」の表示がしたくて、
同じ県内の浜北あたりの養鶏農家から仕入れていたりしたが、
運送コストに対して、「県内産」の付加価値が低く、
今ではより近距離の山梨県南部の養鶏農家からの仕入れを増やしていると言う。
山梨なんて、静岡県の浜北より距離的には近くても「静岡県」じゃないから、
そこからの生鳥が混ざれば、「国産」とかしか表示できない。
行政区分によって「産地」が仕切られてしまう。
仕方ない面もあれば、割り切れない気分もある。
じゃあ、「地産地消」で言う「地」ってどこだ。
一般的には「地元」、
じゃあ、静岡市にいて富士宮は地元か。
まあ、「地元」とは呼びづらい。
岡部の雉はレバーをパテに、
富士宮の鱒はマリネに、
鱸はポアレ、
朝霧の豚はソテー(ポアレかも)、
こしひかりはココナッツ風味のブランマンジェ。
ソテー(ポアレかも)になった豚は「ルイビ豚」。
そう、読みは「ルイビトン」。
産肉性が良くて多産な
ランドレース種(L)の♀に、
肉質がいい中ヨークシャー種(Y)
の♂を掛けて、
そこから生まれた♀に
黒豚で有名なバークシャー種(B)
の♂を掛けて作った豚だから「LYB豚」。
オヤジギャグ読みして「ルイビトン」。
意外に濃厚な雉のパテ、
美しく盛られた鱒、
パリパリの皮の鱸、
ルイビ豚のソテー(ポアレかも)は
絶妙な火の通りで、
静岡こしひかりを使ったブランマンジェはとってもオシャレ。
「地産地消」を謳うわけでもなく、
産地にこだわったわけでもないが、
美味しい素材を揃えたら、そうなっただけと言う。
そう言いながら淡々とたったひとりで料理とサーブをこなしていくシェフ。
食材もシェフも店構えにもヘンな気取りはなく美味しいフレンチを
近所の一杯呑み屋のような気軽さでいただける。
カウンターの向う端のオネーサン方が大声で盛り上がり、
奥の座敷からも笑い声が響いてくる。
客もやっぱり居酒屋ノリだが、
オネーサン方のカウンターにも、奥の彼らのテーブルにも、
真っ白な皿に美しく盛られたすぎもとのフレンチがあり、
チューハイじゃなく薄黄金色や濃紫ワインがあるはずだ。
香酒旬味 すぎもと
静岡市葵区二番町4-1
TEL;054-253-1160
12:30~13:30、18:00~21:30
水曜定休
¥5,500のコースにワインも少々でおふたり様¥15,000也。
お料理の写真がきれいで、食欲をそそります。
こしひかりのブランマンジェはお米の風味があるんですか?
そうそう、畜産関係でも今では匂いもそんなんではないんですが、周辺はうるさいですね。しかも、後から来た人たちほどうるさいそうですね。
お米のデザート、食感にお米らしさが残ってるって感じでした。
風味はココナッツでした。
「餓死するくらいなら肥満で死にたい」
あれ、ちょっと違うかな。
破産してもいいから美味しいものが食べたいですよね。
何かで読んだんですけど、一流レストランの残飯を食べてるホームレスって、結構舌が肥えてるらしいですよ。
半年前に初めて行って特にここの野菜のファンになり、それから数回行っていただけにショックです。どうしたのかご存知でしたら教えてください。
そうなんですよね~、硬派に黙々とこだわりの料理をするタイプの店だったから・・・。残念の一言。
これを機会に、サイトをちょくちょく覗かせてもらいますね。