モディリアーニに再会した。
2008年 05月 22日
小学校に入るか入らない頃、
ウチには若くして
亡くなったが、
オヤジの3つ上の兄、
オレにとっては伯父が
同居していた。
病弱で入退院を繰り返し、
オレの記憶の中の伯父は、
水落にある
大きな病院のベッドで
寝巻き姿で寝ている
「チックンの伯父さん」、
「チックン」とは
注射のことだが、
そんな記憶しかない。
その伯父の部屋には、
いろんな画家の美術集が
たくさんあり、
綺麗な表紙絵に
惹かれたのか、
オレはたまにこっそりと部屋に入り、
それらの画集を見るのが好きだった。
その中にモヂリアニがいた。
首が長く面長で強い眼差しの女性たちや、
肉感的な裸婦像を、
どんな気持ちで眺めていたかの記憶もないが、
モディリアーニを観ていると、
そんな伯父への記憶がぼんやりと蘇えってきた。
40年経ち、
モヂリアニがモディリアーニになり、
黒川紀章の前衛的な建物の中で再会したモディリアーニだが、
次第にその独特の女性像が、
滝川クリステルに見えてきてしまい、
カリアティッドは棟方にそっくりだとか、
子供の頃の伯父の記憶も、
結局、伯父の顔の輪郭さえも思い出せないでいた。
初夏のような陽射しの中、
ウッドデッキのカフェは、
ジジババであふれ返えり、
生きていれば彼らくらいの年齢だろうか、
チックンの伯父さんも、
きっと、あのジジババの集団の中にいるだろう。
小さい頃、私もおじさん(小学校の先生)の部屋に行っては、いろんなものをあさってた記憶があります。自分の親のものには興味が無いのに、どうしておじさんの見ている本とかに興味があったのか不思議です。
モディリアーニは私も大好きです、あの少し遠くから見ているような空気が。少し前に映画になりましたよね。見ていないけど。
伯父さん、かあ。私にも特別な伯父さんがいます。父の兄だけど。
生涯独身で変わり者で、口が悪くて浮世離れしている人ですが、根っこのところがあったかい、大好きな伯父さんなんです。
展示がちょっと単調でもう少し演出や個々の作品の背景説明とかがあるともっと良かったかなあとか思いましたが、やっぱりモディリアーニはいいですよ。
是非ご覧になってください。
美味しいご飯、あまり時間はなかったので、取引先の近所でランチしただけでした。
いずれ、みんな、そこへ行きつくのでしょうが、生涯で、一番長くいる場所がそこだとしたら、居心地は、どうなのかな? ちょっと考えてしまうかも…?