朝霧の原野に現れた富士芝桜まつり
2010年 05月 10日
鳴沢の道の駅から青木ヶ原の樹海を通り、
普通に走ったら20分で行ける距離を、なんと2時間半。
本栖湖からちょいと富士宮に下がったあたりでやっている「富士芝桜まつり」への渋滞だ。
確かに、首都圏から来て富士山をドライブしながら寄るには、
絶好の観光スポットだろう。
それにしてもこの大渋滞、そこを目当てに来ているひと達にはとっては仕方ないこと、
でも、普通に富士宮に抜けたいひと達にとっては、
ただの迷惑な渋滞である。
なんせ、抜け道がない。
富士が峰に抜ける道を過ぎてしまうと、あとは一本道。
ずるずると渋滞を行くしかないのである。
でえ、その富士芝桜まつり、
入場料、ひとり500円、駐車場1台500円、
朝霧の原野を開き、道を作り、池を張り、芝桜を植え、臨時の食い物屋を誘致する。
ビジネスとしたら大成功じゃないでしょうか。
元々は、富士急の本栖ハイランドという、
テニスコートやバイクのオフロードのコースなんかがあった場所、
そこの一角に芝桜を植えて、この商売。
勘がいいひとがいるもんです。
ところで、肝心な芝桜、
五分咲きとは言え、美しい。
富士山をバックにすれば、カメラの行列ができるのも頷ける美しさである。
ただ、芝桜を愛でながら、池の周囲をぐるっと廻ると30分も掛からない。
途中のプレハブ喰い物屋で買い食いをしても1時間。
陽気に照らされて渋滞を来た車の中は結構あったかく、
その勢いでTシャツ1枚で芝桜に向かっていると、
そこは、富士の朝霧である。
陽が山の斜面に消えそうになる時刻も早く、
あっという間に、寒くて散策どころではなくなるから要注意。
たぶん、GWにはさらに大変な人出だったのだろう、
プレハブ喰い物屋のバイトくんたちも、
聞きなれない、使い慣れない日本語での対応も堂に入ってきて、
「串カツくださ~い」と言う客に、
「そこの券売機でチケット買ってからですね~」と指で指し、
「券売機、売り切れってなってるんですねど~」と言う客に、
「じゃあ、きょうはもう出ないですねえ~」と答えるバイトくんの目の前には、
揚げたばかりの串カツらしきものが山と積まれている。
さらに、「そこに串カツあるでしょう」と食い下がる客に、
「券売機でチケット買ってきてくださ~い」と鸚鵡返しのバイトくん、
まるで禅問答のようだ。
蒸かした豚まんをさらに揚げたものだが、
萬幻豚、相変わらずの旨さである。
芝桜がこんなにも人を集めるとは思わなかったが、
いくら芝桜が流行りとは言え、もう少しゆっくりと静かに楽しみたいとは、
きっと、そこに来ていた誰もが思っていたはずだ。
ちょっと怖いような??
こっちはこんなにガラガラなのに…とぼやいている人もたくさんいると思うのですが、「穴場探し」でも流行したらよさそうですねぇ