アスパラガスで牛魂祭
2010年 05月 30日
黒毛和牛を飼育している知床の牧場が、
その副業で栽培してるのを送ってくれたのだ。
皿には数本しか写っていないが、ホントは写真の10倍くらいのアスパラガスが届いた。
実はこの時期、毎年恒例の「牛魂祭」をやるのだが、
牛魂祭とは、過去にと畜されていった牛たちに感謝する慰霊祭で、
牧場の関係者はもちろん、牛を運んでくれるトラックの運ちゃんから、
エサ屋さんや、それこそ屠場のオジチャンたち、
そして、末端で牛肉の売り子さんをしているオレたちまで、
その牧場に関わった連中が一同に会して、
一年の感謝を牛たちにしながらBBQをする例祭なのだが、
今年は、例の口蹄疫で、どうも牧場関係者以外のひと達を、
わざわざ遠くから呼んで牧場に入れるリスクの高さとか、
呼ばれいくオレたちも、もしかしたら口蹄疫の運び屋になりかねないリスクを考えると、
「今年はヤメにしましょう」となったのである。
そこで、その代わりに牧場で作っているアスパラガスを送ってくれたのだ。
その牧場に行ったことはあるが、
あまりにも広大で、そのどこでアスパラなど作っているのか皆目見当も付かないが、
所謂、グリーンアスパラも太いのから極細まで、またムラサキ色をしたのとか、
昔はオヤジの晩酌のアテ、今じゃ高級食材のホワイトアスパラとか、
子供だった頃、オヤジがビールのアテにしていた缶詰のホワイトアスパラ、
なんとなく匂いが嫌いで、つい最近までグリーンはなんでもないが、
ホワイトには苦手な意識があったが、
先日、アオキで見つけたその懐かしい濃い青色の缶に入ったホワイトアスパラ、
なんと、1缶、500円以上もして、びっくりしたが、
いつから、そんなに高級になってしまったんだろう。
早速、ビールのアテにすべく、ピーラーで皮を剥き、
まずは、ボイルしただけで喰う。
ボイルすると、ムラサキの色は抜けてしまうが、
それ以外の、特にグリーンアスパラは、その色が際立ってくる。
実はこのアスパラたち、女満別からちゃっかり飛行機に乗ってやってきた。
だから、鮮度は抜群で、ボイルだけで充分にその旨さが滲み出る。
また、マヨネーズに粒マスタードを混ぜたソース作り、それに少しディップしてみたりしたが、
どうだろう、やっぱりホワイトがイチバン甘味や旨味がある。
ソースにディップしなくても、その素材そのままの方が旨味が分かりやすい。
さすが、高級食材に成り上がっただけのことはあるというものだ。
今年は、あの広大な北海道の空の下、BBQで慰霊する牛魂祭にはならなかったが、
この北海道の牧場からの牛はもちろん、
今、宮崎で毎日、訳もなく殺されていく牛や豚たちの魂が、
ちゃんと昇華していってくれることを、
アスパラガスに祈って、今年の牛魂祭にした。
穂先が美味しいものと思い込んでいたのですが、下半分の方が美味しいと気づかされた次第です。
ホワイトアスパラガスの缶詰、懐かしいですね。
大体贈答品の缶詰セットによく入っていましたよね。
あれでアスパラ嫌いになってる人も多いのでは…?
宮崎のことは心が痛いです。
生産者の皆さんが早く立ち直れるような対策を望みます。