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鶏肉が消えた市中で参鶏湯。

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あっという間の出来事だった。
先週の金曜日あたりから、店から「鶏モモが発注通りに来ない」、とのクレームがあり、
メーカーに問い合わせると、「猛暑で・・・」と言う。
この夏が猛暑だった影響で、雛鶏の熱死が多数出てしてしまい、
また、その親鶏の種鶏も暑さに弱い品種で、
こちらも多数の熱死が発生してしまったようだ。
そんなんで、直近はもちろん、この先も供給が細ってしまうと言う。
ただ、今回の様子は、そんな状況とはちょっと違い、
供給が細るに従って上がっていく相場、
なんてもんでもなく、相場が動く前に一気に市中から鶏モモ肉がなくなった感がある。
つまり、この先の供給不足を確信した誰かが、
相場が上がる前に市中在庫を買い占めた、そんな状況らしい。
日本中の市中在庫を、周りに気付かせず、
あっという間に買い占めるなんてことができるのは、最大手のたった一社しかない。
この先、買い占めて凍結させておいた在庫を、
相場が上がったところで頃合を見て、一気に放出する、そんな算段だろう。
そして、業界には「またか」というあきらめムードが拡がり、
末端のバイヤーは、「お詫びPOP」を作る羽目になっている。
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さて、そんな業界話しにはお構いなしに、
ウチのシェフが参鶏湯(サムゲタン)を作ってくれた。
このサムゲタン、作るよりその材料を揃えることの方が難しい。
まずは、高麗人参。
これが、イチバンの難儀で、結構あちこち探したが、
結局、静岡の唐瀬街道にある韓国食材屋さんでしか売ってなかった。
写真のは、スープを吸って大きくなってしまってるが、
6年根で、1本、¥2,000もした。
ついでにそこで、ドライのナツメも調達して、
あとは、Staubのオーバルココットに入る大きさの丸鶏だが、
こちらは本職、国産のグリラーサイズを産地の工場から直送させて、
スーパーでもち米と生栗を揃えて準備完了。
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そして、丸鶏の腹に、もち米と人参、ナツメに生姜、剥いた栗を入れ、
アクを取りながら、ココットで煮込んだら、それで出来上がり。
塩、胡椒などの調味は、各自器に取ってからお好みに、が韓国流らしい。
煮込んだ鍋の中で、丸鶏の背中からナイフを入れ、
ムネ肉とササミを胴ガラから外すと、
詰めておいたもち米とからナツメとか栗とかが出てくる。
丸鶏の解体なんて、お手のモンだが、
これだけ良く煮込まれていれば、肉は簡単にほぐれるし、
ムネ肉、ササミ、モモ肉、手羽先とかに分ける必要もなく、適当で充分である。
それらのほぐした鶏肉を、器に盛りスープを足して塩胡椒をして喰う。

若干、高麗人参の香りが気になるが、
柔らかい鶏肉の身に染みたいろんな薬膳のエキスで身体が温まり、
白濁したスープともち米も、
もしかしたら、朝飯に合うような感じで、
たまには、こういう淡白な味も新鮮に感じられる。

7月から8月に掛けて、
韓国料理や焼肉のタレのメーカーさんであるモランボンが、
ユンソナを使って「チャプチェ」を仕掛けて大成功した。
今回も、そのモランボンに高麗人参のエキスを依頼してみたが、
もうなん年も前に生産中止しているという。
ただ、数年前に韓流ドラマを追いかけていた奥さまたちが、
韓流料理レストランは流行ったようなので、
こういう材料入手はちょっと難しいけど、レシピ自体はなんでもなく、
美味しく、身体にもいい料理を振り返ってくれたらと、
鶏モモ肉の騒動が一段落したら、もう一度、仕掛けてみようと思うが、
でも、その前に、モモ肉の「お詫びPOP」を作らなきゃと思うと、
ちょっと気がめいってくる。
by tadano_buta | 2010-10-06 03:22 | おウチごはん | Comments(0)

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