「ソオスィソン・セック・フルール・ブランシュ」と言うらしい。
2010年 11月 22日
もうかなり以前、池袋の西武に入っている肉屋さんで、
ここのモモハムと白菌のドライソーを見つけて買い、
その旨さに、びっくらこき、
「いつかきっと、その現場を押さえてやるぞ」との意気込みでいたが、
なんせ相手は岐阜の飛騨の山奥、
そんな簡単には、現場どころか商品さえも入手困難な状況が続き、
ついに意を決するときが訪れ、
「エンヤコラ、どっこいしょ」となった訳なんである。
静岡から乗って、降りた先は高山西、
こんなとこまで来て、ETCの料金掲示が「1,000円」とか出ると、
やっぱり、なんか得した気になってしまうし、
こりゃあ、使わな損ソンな気分になるのである。
さて、そんなんで、着いた先は、岐阜県高山市の郊外、
街道に掲げられたたった1枚の看板とナビを頼りに道を外れてしばらく行くと、
いかにもなロッジ風の建物が見えてくるのである。
店内は4尺のショーケース2本と、イートイン用のテーブルがいくつか、
それに、事務をするような部屋と、販売用に簡単な作業をするスペースだけ。
豚肉を捌いたり、ソーセージを詰めたり、燻製にしたりは、
きっと、どこか別の場所でしているんだろうと。
それでも、店の天井には、所狭しと生ハム用の骨付きのモモがぶら下がり、
また、白菌のソーセージも乾燥、熟成の進み具合がわかる程、
たくさんぶら下がっている。
乾燥を始めたばかりで、手前のシワシワが、結構乾燥が進んだ状態である。
でえ、この白菌をわざわざ生やしたソーセージを買いに行ったのである。
白菌は、フランスから飛行機に乗ってやってきたらしく、
豚腸にファルスを詰め、その白菌の胞子を植え付け、ひと月ほど乾燥熟成させると、
この立派な「ソオスィソン・セック・フルール・ブランシュ」と言うソーセージになる。
白菌自体は、カマンベールチーズの周りに付いているのと同じ種類らしいが、
ただ、それが肉に付くと、なんとも言えない芳香を放ってくるのである。
こうして、日記を書いていても、
30分くらい前に手づかみした白菌ソーセージの香りが、
指先に残っていて、たまにその香りがふわっとくるからスゴイ。
熟成された肉の旨味は、白菌の芳香とともに、とっても深く野趣にも富んでいる。
小1時間くらい、あーでもない、こーでもないと、
いろいろな試食を出してもらいながら買い物をしたが、
店を出て、車に乗り込むと、車内になにやらスモーク香がする。
きっと店内で、髪の毛や服に骨付き生ハムやベーコンの香りが移ったんだろうと、
それほどまでに、じっくりとスモークを掛けているということ。
こんな飛騨の山奥まで、たいへんな思いをしてきた甲斐があったなあと、
そんなところで実感してしまったが、
遠くに見える槍ヶ岳も、一瞬でもモンブランに見えたかも知れない。
キュルノンチュエ
岐阜県高山市清見町牧ヶ洞3154
TEL;0577-68-3377
10:00~18:00
火曜休
計り売りしてんの、80gで¥1,260ってことは、
100gあたり、¥1,575だそうで、こいつも銘柄牛並だよ。