2017年 08月 20日
博多水炊き専門 橙 福岡市中央区 |

それではと今回は、あえて新進気鋭、ピブグルマンにも掲載された橙にお邪魔した。
「たかが水炊き、されど水炊き」、
博多の水炊きは、総括しちゃうとそんな感じだ。
そんな橙、まあオシャレだ。
外観から内装、使っている鍋や器まで、
実に良く吟味されている。
さらに、スタッフは若いが、そのサービスや所作まで含めてオシャレだ。
メニューは基本的に、水炊きと唐揚げしかない。
あとは、シメを雑炊にするか麺にするかだ。

こちらは、ただ座って食って、呑んでいればいいだけで、
この辺は、川端の長野や松阪のすき焼き屋と同じだ。
だからかも知れないが、
肉屋的には、その部位や部位の割り方に興味が行ってしまう。
たぶん仕入れは内臓と頭を除いた丸鶏、所謂中抜きの状態での仕入れだろう。
長野のメニューには内臓もあるが、ここにはない。
もしかしたら、隣の焼き鳥屋で内臓を使っているのかも知れないが・・・

部位的に言うと、スタッフは「モモ肉とスネ肉です」と言うが、
肉屋的には、「サイとドラム」だ。
次には、手羽肉が分割されて盛られる。
丸鶏から分割しているから、
手羽が骨付きムネ肉と手羽元、手羽先に分けられる。

唐揚げはムネ肉の一番肉厚の部分を5cm角に切り出し、
始め低温、仕上げに高温で丁寧に揚げられているから、
ムネ肉の揚げ物なのに、パサつき感がなく、しっかり肉感がある。

思いっ切り、写真を撮り忘れていたが、
野菜を持った小鉢の隅に、奇跡的に写っているのがつくねだ。
よく、焼き鳥屋で、つくねが旨い店は焼き鳥も全般的に旨いと言う。
その理屈だと、ここのつくねは絶品である。
雑肉に皮、あとは玉ねぎと卵白、
まあ、そんな感じのつくね、
あえて、軟骨は使っていないと言う。

最初、清湯だったスープが、
つくねを沸かすことで白湯に変化していく。
鶏皮のコラーゲンが沸騰させることで乳化し、スープが白濁するのだ。
焼酎の合間にスープの変化も楽しめる。

おウチシェフは、素麺で〆たかったみたいだが、
脳ミソの奥の方で、「雑炊の音」が響いて止まなかったから仕方ない。
レンゲの上には、ニラ醤油。
こういう、細かな味のアレンジがウレシイ。
ガラで炊き、骨付きの肉を部位別で味わい、
客の前を通過しないのは、頭とモミジと羽くらい。
だからと言って、皿に盛られてテーブルの隅にちょこんとあっても困るが、
鳥肉料理のスゴミみたいなものさえ感じた博多水炊き、
おウチから、ちょっと遠いのだけが難点と言えば難点だ。
橙
福岡市中央区大手門1-8-14
TEL;092-726-0012
12:00~22:00
日曜休
焼酎を1本入れてふたりで¥10,000也。
思いっ切りサービスをしてるのにサービス料もなく、コスパは史上最高かも。
by tadano_buta
| 2017-08-20 15:08
| あちこちで喰う
|
Comments(4)

おぉ、さすがよくご存じなだけに、厳しい~
おめがねにかなった珍しいお店なんですね!
おめがねにかなった珍しいお店なんですね!
Like
福岡、良い所ですよね。
空港からのアクセスも抜群ですし、適度に都会で山も海もすぐ傍にあって
温泉も近い。転勤して此処に家を購入する人が多いのも頷ける街です。
夏こそ熱い水炊きも良いですね。この出汁で夏の疲れもすーっと溶けて
いきそうです。
暑さが一段落したら私もぜひ足を延ばしてみたいです!
空港からのアクセスも抜群ですし、適度に都会で山も海もすぐ傍にあって
温泉も近い。転勤して此処に家を購入する人が多いのも頷ける街です。
夏こそ熱い水炊きも良いですね。この出汁で夏の疲れもすーっと溶けて
いきそうです。
暑さが一段落したら私もぜひ足を延ばしてみたいです!