2007年 08月 17日
ムスメとオヤジのアクアパッツァ |

「ほんじゃ、なにしよか」
「お魚がいい」と言う。
魚と言えば最近、イサキがいーらしい。
伊豆大島の方で
いっぱい釣ってきた連中がいる。
こっちまでは回ってきてないが、
冬瓜のジュレと蒸されたイサキ、
揚げびたしの茄子にのったイサキ、
そして、焼いたあと
白ワインのスープで煮たイサキ。
そんなふっくらと蒸された白い身や、
こんがり香ばしそうな皮目を散々見せられていたから、
「よっしゃー!イサキでアクアパッツァ作ったろ!」となった。
さっそく、ワシャワシャと商店街の魚屋に行くと、
わりと簡単にイサキを売っていた。
ちょっと大きめのイサキ、¥398也。
イサキと浅蜊をそこで仕入れて帰ると、
ムスメが女房のことからモロモロの野菜をガメてきていた。
なかなか、最近、こういう知恵が付いてきた。
アクアパッツァ、
名前ほど小難しい料理じゃない。
要はちょっと焼いて、ちょっと蒸して、ちょっと煮込む料理だ。
まずは、イサキの下拵え、これはオレの仕事。
ウロコを取り、頭と内臓を外し、塩胡椒しておく。
野菜をみじん切りにしたり、賽の目にカットしたりはムスメの仕事、
まな板はひとつしかないから、
イサキが終わると、「Your turn」ってな具合になる。
ビールを飲みながら、
ムスメと学校のこと、ボーイフレンドのこと、
最近見た映画のこと、携帯のこと、
いろいろ話しながら、ここまでは結構楽しい。
ムスメが「あッ」と言い手を止めて部屋に行き、
CDを持って戻ってくるとプレーヤーに掛けた。
「R35」
「なんじゃこれ?」
「R35」
「それは分かるけど、なんでおまえがもってんの?」
「パパにあげるの」
「なぜ?」
「これでママを口説くんだよ!」
「ハァ?」
年頃のムスメは、ときどき意味不明な行動をする。
「パパとママにはR45くらいが必要なんだよ」
今度はムスメが首をひねる。
鍋にオリーブオイルを敷き、みじん切りのエシャロットを弱火で炒め、
さらに、賽の目にした人参、セロリ、カブを加え炒める。
その中へ下拵えしておいたイサキを入れ強火で焼く。
イサキを裏返しながら焼き色が付いてきたら、
浅蜊、トマト、セロリの葉っぱ、白ワインを加えフタをして弱火で煮る。
横でパスタの支度をしているムスメの今日の魂胆は、
3年生で部活も終わったし、受験勉強なんてさらさらやる気ないし、
そこで、どこかへ遊びに行きたい。
しかも、ボーイフレンドと遠出をする許可とお小遣いをオネダリすることのようだ。
「Unacceptable!」
「Definitely can't!」
「Too absurd!」
「100万年早い!」
考えられる「ダメです」言葉を20個くらい並べてみたが、
「なぜよ!」
と言うムスメのひとツッコミに、
「そりゃァ、おまえ、ダメなものはダメなんだよ。」
くらいしか理由が浮かばない。
こういう状況を「まな板の上の鯉」とか、
「フライパンの中の浅蜊」っていうのか?????
(どっちもちょっと違うと思うが.....)
その浅蜊がフライパンの中でパカッと口を開け、
イサキにも火が通ってきたら火を止めて塩胡椒をし、
オリーブオイルを回しかけ、バジルを散らしたらできあがり。
食卓にはフライパンのままド~ンとのせ、
ムスメはオリーブオイルを掛けただけの素パスタと、
オヤジは白ワインと一緒にいただく。
スープがほんのり染み込んだイサキは、
ほっこほこの白身が夏の海らしい味に仕上がっていて、
浅蜊やイサキの美味しさをたっぷり吸った野菜も、
脇役にしておくのはもったいないほどいー感じになっている。
そのイサキをひと口食べ、
ムスメと顔を見合わせたあとにハイタッチ、
作ったのは本人だが、「天才」じゃないかと思ってしまった。
さあて、食事中には、なるたけその話題からは話しを逸らしていたが、
残ったスープでお茶漬けを作っていたオレに、
ムスメが上目遣いで目配せをしてくる。
なんか、このあたりはその辺のキャバ嬢と変わらない。
オンナとは、こういう仕草を本能的に持ち合わせているのか。
美味しいイサキとワインの酔い、
こんな状況でムスメにもうひと押しされたら、
「Enjoy!」とか言ってしまいそうだ。
こんな状況もキャバクラでなんど痛い目にあっても学習しないようだ。
by tadano_buta
| 2007-08-17 22:05
| おウチごはん
|
Comments(16)

あはは~イサキ三昧さんざん見せちゃったものね。
ほんとはですね、わたしもアクアパッツァやりたかったのですよ。
思いがけず、和風やら南仏やらのバリエーションになりましたが。
ムスメさんとの会話、ほほえましいわ。そういうの明るく話題に出来る家庭、結構良いと思うよ。
ほんとはですね、わたしもアクアパッツァやりたかったのですよ。
思いがけず、和風やら南仏やらのバリエーションになりましたが。
ムスメさんとの会話、ほほえましいわ。そういうの明るく話題に出来る家庭、結構良いと思うよ。
だぎんさんのおうちの料理は、いつも色合いもとてもきれいです。
最近うちの近所で、イサキを買えるところがあるだろうか?
思い浮かびません。スーパーで買えるかな?
作りたい、食べたい!しかし夫が食べるだろうか?
あー食べたい。
最近うちの近所で、イサキを買えるところがあるだろうか?
思い浮かびません。スーパーで買えるかな?
作りたい、食べたい!しかし夫が食べるだろうか?
あー食べたい。

うちの娘が、お父さんから「おこずかいが無くなったら言えよ」って言われたそうで、だいぶ優しいお父さんしてるらしいです~

彩り良くて美味しそうですね~。
今回はイサキのアクアパッツァですか。
>冬瓜
そちらでも栽培されているのですか。
今回はイサキのアクアパッツァですか。
>冬瓜
そちらでも栽培されているのですか。

なんか いいね。 家も3年生
どうなることやら?
どうなっても、かわいいですよね。
イサキ 食べたことないようなあるような
こちらでは、まず、売ってないね
どうなることやら?
どうなっても、かわいいですよね。
イサキ 食べたことないようなあるような
こちらでは、まず、売ってないね
おねだり上手な娘さんですね。
ヾ(≧∀<;)ノ
しかも美味しそうな料理!!
さすがダギンさん!
一度で良いからダギンさんの手料理食べてみたいですね。
これからも娘さんとの絶妙な駆け引き頑張ってください!!
ヾ(≧∀<;)ノ
しかも美味しそうな料理!!
さすがダギンさん!
一度で良いからダギンさんの手料理食べてみたいですね。
これからも娘さんとの絶妙な駆け引き頑張ってください!!
>こた、毎度。
そうそう、それがキッカケよ!
負けないように作ってみたけど、やっぱりプロには適わないや。
冬瓜のジュレ、こんど作り方教えてよ。
そうそう、それがキッカケよ!
負けないように作ってみたけど、やっぱりプロには適わないや。
冬瓜のジュレ、こんど作り方教えてよ。
>マックスさま、毎度。
毎日あるかどうかは分からないけど、丸魚をおいてるスーパーにはこの時期、イサキは定番のはずですよ。
近くに商店街、あります?
控えている人口の差でしょうか、今じゃ地方より東京の方が商店街には元気ありますよね。
ところで、丸魚、さばけますよね。
毎日あるかどうかは分からないけど、丸魚をおいてるスーパーにはこの時期、イサキは定番のはずですよ。
近くに商店街、あります?
控えている人口の差でしょうか、今じゃ地方より東京の方が商店街には元気ありますよね。
ところで、丸魚、さばけますよね。
>ありおん、毎度。
お父さんはムスメには絶対に適わないのです。
ウチも結局押し切られました。
お父さんはムスメには絶対に適わないのです。
ウチも結局押し切られました。
>フナムシさま、毎度。
冬瓜、栽培してるかどうかは分かちませんが、売ってますよ。
今度は、冬瓜のスープ、してみようかな。
冬瓜、栽培してるかどうかは分かちませんが、売ってますよ。
今度は、冬瓜のスープ、してみようかな。
>ソーさま、毎度。
あれ、北海道にはいないんだ。
でも、そっちにはもっと美味しい魚やウニなんかがいっぱいあるから羨ましいですよ。
東京あたりまで来れば食べられますよ。
今が旬です。
あれ、北海道にはいないんだ。
でも、そっちにはもっと美味しい魚やウニなんかがいっぱいあるから羨ましいですよ。
東京あたりまで来れば食べられますよ。
今が旬です。
>まこやん、毎度。
オレの手料理ッスか、一升瓶担いでいらっしゃい!
ちなみに、一升瓶の中身は牛乳でなくお酒ですよ。
オレの手料理ッスか、一升瓶担いでいらっしゃい!
ちなみに、一升瓶の中身は牛乳でなくお酒ですよ。

アクアパッツァ美味しいですよね~!!
でもしばらく食べて無いな・・・
娘さんとの会話も微笑ましくて、娘も息子も(っていうかその前にダーリンも^^;)いない私にとっては、お嬢さんとキッチンにたって美味しい料理をつくって食べれるだぎんさんが羨ましいです(^・^)
でもしばらく食べて無いな・・・
娘さんとの会話も微笑ましくて、娘も息子も(っていうかその前にダーリンも^^;)いない私にとっては、お嬢さんとキッチンにたって美味しい料理をつくって食べれるだぎんさんが羨ましいです(^・^)
>ピンクスターさま、毎度。
とても微笑ましいなんて会話ではありません。
ツッコミを入れられ、軽く脅され、根こそぎもってかれます。
あ~オンナはコワイ!
とても微笑ましいなんて会話ではありません。
ツッコミを入れられ、軽く脅され、根こそぎもってかれます。
あ~オンナはコワイ!

あら!?
でも男性って女性からオネダリされるの嫌いじゃないでしょ(^_-)-☆
でも男性って女性からオネダリされるの嫌いじゃないでしょ(^_-)-☆
>ピンクスターさま、毎度。
ひょひょひょひょひょ~!
時と場合と相手さまによります。
ひょひょひょひょひょ~!
時と場合と相手さまによります。